【展示鑑賞の記録】
先日、「国際芸術祭あいち2022」へ作品鑑賞へ行ってきました。
主に4つの会場で開催されており、私は時間の都合もあって愛知芸術文化センター会場のみ鑑賞してきました。
※10月10日で終了しております。
〜感想〜
これだけ大規模な現代美術展はとても1日では観ることはできず、近くに住んでいれば間を空けてゆっくり鑑賞するのがいい。
更に、物質としての作品の美しさというよりも作者の思考、アイディアに表現が詰まっている作品が多く、観ただけでは到底理解できず、
解説を読みながらその作者の思考に入っていかなければ作品を味わうことができないので、私にとっては半日に1会場だけでも頭がパンパンになった。(足がパンパンになるのではなく頭がパンパン)
そして、全体を通して印象的だったのは「時間」に関係した作品。制作時間をかけたものから東日本大震災の時に作った詩、呟きをTwitterで発表していた作品、数十年前に発表をしたもを2022に発表するなど個人的に考えさせられた。
特に、芸術祭のタイトルにも入っている河原温の「I Am Still Alive」1970ー2000年と時間をかけた作品であり、とてもセンセーショナルで作者の思考と人生、生き様をかけた壮大な作品に様々な意味でショックを受けた。まさに思考や行動がアートである。この作品も完成から22年も経っているもので、良い作品、影響のある作品は生き続けると感じた。
上記3点:ローマン・オンダック
1本の木を100枚に輪切りにし、年輪とその年に起きた出来事を重ねていく作品。出来事は真珠湾攻撃や中国文化大革命、チェルノブイリの原発事故、フェイスブック設立など世界中に影響のあるものである。
さらに、展示中1日ごとに壁面に飾っていき、鑑賞したのは最終日なので全て壁面にかかっている。
これは、展示の期間と木と人々が歩んでき歴史、時間が時代は違えど同時に観る、かけるという行為によって刻まれていき、時間は過去にも未来にもつながっているという自分の時間が世界の時間というような不思議な感覚になる作品。
そして、一番は今あいちにいる自分が世界の衝撃的な出来事を考えるきっかけになる作品。
上記2点:ロバート・ブリア
上記のようなセンセーショナルな作品が多い中、広い空間の中に点々と4つのシンプルな作品。
6枚目の直方体など作品と思わないほどシンプルな形でそっと置いてあるという表現が当てはまる。
しかし、これらの作品はものすごくゆっくりと移動をしている。(ルンバのものすごくゆっくりなイメージで、動いていると言われてよーく観察しないと動いているのは絶対に分からない)
解説を読むと「動物や人間ではない「動く魂」として作られている」とのこと。私にはシンプルな動きと形がロボットの初期のようなほのぼのとしたものを感じた。
この作品が1970年の大阪万博でもすでに展示されているということも関係しているのかもしれない。
ほかに、写真は撮れなかったが潘逸舟の映像作品もほこり?や糸が空中を舞っている様子を撮ったもので、同じような印象を受けた。
単純な動きだったり、永遠と連続する動き、さらにはとても地味な動きなのにゆったりとした変化をしばらく観ていたいという気持ちになった。